今日はGX-Z7100のメンテナンスを行います。
前モデルであるGX-Z7000の主に回路部を見直し、さらに高音質化が図られたモデルで、上位機種のGX-Z9100とはメカ、回路ともに同等で大変CPの高いモデルです。
上位機種との違いは、サイドウッドとクオーツロックが省略されていることと、マスターボリュームの種類くらいでしょうか。
はじめに電源を投入し動作確認したところ、トレイ開閉のスピードが通常の2倍くらいの速さです。なぜでしょう?早速中身を見てみます。
ケーブルの取り回しが変更されていますので、修理履歴があるようです。詳しい方にはこの写真で「あれっ?」と思う箇所があります。それは後ほど。
底面です。メカを取り出すため、ヘッドのコネクタ3か所を外します。
左が今回の機体のメカ、右は他のものです。左側に付いているモーターの形が違います。
これはメーカー仕様の変更ではなく、前オーナーにより交換されたのでしょう。これが原因でトレイ開閉スピードが速くなっていたんですね。
メカをバラしていきます。
トレイと前面カバーを外したところです。ピンチローラーとヘッドはスムーズに上下します。メンテナンスされていたようです。
左右リールを駆動するアイドラーです。劣化によりスベスベになっていますので、新品に交換します。
ピンチローラーの状態は良好ですが、軽く表面を研磨し、専用クリーナーで清掃しました。「アメリカンレコーダーテクノロジーズ社」のクリーナーS-721Hです。国内では入手困難ですが、当「AUDIOLIFE」のネットショップで購入することができます。
さすがAKAIの誇るGXヘッドです。摩耗はほとんどありません。
トレイ開閉などを司るモードベルトです。この機種の弱点です。左が新品、右が外したものです。
モーターは標準品に交換です。左が純正です。
テープセレクタの検出スイッチの接点もクリーニングします。元通りに組み立て、調整に入ります。
テープ速度が若干遅くなっていましたので、調整します。
アジマス、再生レベル・録音レベルを調整します。
動作・音質良好になりました。メンテナンス完了です。