Audiolife - Enjoy your audio life!!

オーディオライフ:カセットデッキ、DATの販売・修理を行っています。故障でお困りの方はご連絡ください。

DTC-55ES

SONY DTC-55ES

投稿日:2017年5月15日 更新日:

今日の修理はSONY製DATデッキ、DTC-55ESです。

それまでご法度とされていたデジタルコピーがSCMSで解禁となった記念すべきモデルです。

私も一番最初に買ったDATデッキなので、個人的には非常に思い入れのあるデッキです。

数年間使用していましたが、長期間使用しなかった後、動作させると「ガリガリ」といって不動になってしまったという経験があります。

今回修理を依頼されたデッキは、テープ走行しないといったものです。

修理開始です。

左上に見えるのが電源部ですが、コンデンサーがコウモリのようにぶらさがっているといった変わった設計です。

メカを取り出しましょう。

メカの構成は、それまでのDTC-1000ES,500ES,300ESとそっくりですが、トレイの開閉システムがこのモデルから一変しました。大変よくできたシステムだと思います。

右側の写真のとおり、問題の多いロータリーエンコーダーは肌色の対策品に交換されています。

メカをひっくり返してドライブ基盤を外しました。色々な構成パーツがありますが、順次取り外しチェックしていきます。

一発目で故障個所を引き当てました。これは1モーターのリールメカですが、左側のリールが回転しません。大変珍しい故障です。グリスが固まったことが原因でしたので、清掃しシリコングリスを塗布しました。

この55ESは、樹脂製ギアが破損していることが多くあります。点検するため、駆動モーターを取り外します。

左側のギアと右側中央の小さなギア、この2つが鉄製のリングギアに負けて破損します。

それはなぜかというと、リングギアのスライド部が固着して、樹脂製ギアに過大な力が加わるからです。

案の定、この機体のリングギアもがっちりと固着していました。

固着したままでも動作はしますが、いずれギアが破損します。

固着を修理し、回転部分にグリスアップし元通りに組み立てます。

試運転しましたが最初は音が出ませんでした。ヘッドが相当汚れていたようで、5分ほどクリーニングを行い無事動作しました。

あとはテープパスのチェック、ボリューム類の接点メンテナンスを行い修理完了です。

-DTC-55ES
-, ,

執筆者:

関連記事

SONY DTC-55ES

今日は久しぶりのDTC-55ESの修理です。 この機種は、SONYのDATデッキの修理において、一筋縄では行かないかなり手ごわい相手です。うまく動作させるまでには、いろいろなポイントを押さえる必要があ …

SONY DTC-55ES RFアンプ故障

かなり前のことですが、ジャンク機として入手したDTC-55ESの修理を行いましたが、その時はヘッドの故障が見つかったため、そのまま倉庫に放置していました。 先日、たまたま中古ヘッドを入手することができ …

SONY DTC-55ES

今日はDTC-55ESの修理です。 早送りすると数秒で停止するという不具合を抱えていますが、何度か繰り返すと症状は無くなります。再生は正常です。 操作しているうちに改善されるということは接触不良が原因 …

DTC-55ES 一旦返品、ところが・・・

先日ヘッド交換等の修理を終えたDTC-55ESですが、納品まもなくお客様から機器が不調とのご連絡がありました。 「自己録音、自己再生は正常」「他のデッキで録音したテープが激しいノイズ、ドロップアウトが …

DTC-55ES 早送り巻き戻し後の再生不良

今日はDTC-55ESの修理を行いましたが、SONYのDATデッキをお持ちでこんな不具合が起きているという方はいらっしゃらないでしょうか? 早送りや巻き戻し後に再生ボタンを押すと、 「再生できるが最初 …

検索

2017年5月
« 4月   6月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

住所
066-0038
北海道千歳市信濃3丁目11-1-1
Audiolife 代表:小西隆幸
050-3717-0768(留守電専用です。トラブル防止のため、緊急時以外は記録が残るEメールをご利用ください)
E-mail:audiolife2017@gmail.com

営業時間
月〜金: 9:00 AM – 5:00 PM
土: 9:00 AM – 12:00 PM