今日の修理はA&Dのカセットデッキ、GX-R65CXです。
不動品を入手しましたので、修理&整備したいと思います。
このデッキは、AKAI時代のGX-R70やGX-R60あたりの血統を受け継いだもので、センサーによりテープエンドを素早く検知するクイックリバースや、摩耗に強いGXヘッド、ノイズを大幅に低減するdbxとドルビーB,Cを搭載するなど高機能、高音質、低価格の大変CPの高いデッキです。
手に入れたデッキは、トレイが開きっぱなしで、電源を入れてもうんともすんとも言いません。
デッキメカを取り出すために蓋と前面パネルを外したところです。メカや基盤類は、AKAI時代のものとまったく見分けがつきません。
この時代に流行ったのでしょうか?スライドスイッチ、スライドVOL仕様です。接点のメンテナンスが必要です。
メカがまったく動かない場合の原因の多くは、右の写真に写っている白い横長の樹脂製ギアの固着です。ドライバーでこじってやると、動作するようになりました。グリスアップが必要ですね。ところが、トレイの動作が非常に重い状態です。
メカの右側にあるシリンダー状のダンパーの滑りが悪くなっていました。ここもグリスアップです。
ヘッド周りです。ヘッド左側のテープガイドがセンサーを兼ねています。
ピンチローラーの表面がツルツルです。弾力はありますので、表面を軽く研磨し、専用クリーナー(当店の販売サイトに在庫がありますので興味のある方は是非どうぞ)を塗布します。
綺麗になりました。
ここもメンテナンスが必要です。テープセレクター等の検出スイッチです。
この機種に使用されているゴムベルトはこのキャプスタンベルトのみです。状態は良好でした。
元通りに組み立てて、調整に入ります。
まずはテープ速度です。少し遅めになっていましたが315KHzに合わせます。ワウフラッターで揺れますので、ピッタリとはなりませんが、右の写真の通りです。
アジマス、左右音量も調整しました。
忘れてはならないのが、カセットハーフを押さえつけるダンパーです。ばねが弱まっていますので、右の写真の通り修正します。
最後は録音チェックです。オートリバースなので往復テストします。
以上修理&整備を行い、動作音質良好となりました。このデッキは当店の販売サイトに出品します。