カセットデッキには、リールを回転させるための駆動メカとして「アイドラー」が多く用いられています。
この写真の真ん中にあるのがアイドラーで。左右に動いてリールを回転させるのですが、ひとつのリールモーターで再生や早送り、巻き戻しなどを行うための優れたメカで、ギヤで駆動するタイプやアイドラゴムで駆動するタイプがあります。
左はA&DのGX-Zシリーズのもの、右はSONYのTC-Kシリーズに採用されているものです。A&Dはアイドラゴム、SONYはギヤタイプとなっています。
A&Dのものは、このようにスプリングが使用されていて、SONYのものは、裏側に板バネが使用されており、回転方向に摩擦力を与えています。なぜかといいますと、この摩擦力によって、自らが振り子のように動いて左右のリールに移動しモーターの動力を伝達する仕組みになっています。
指で回してみると結構抵抗を感じますが、それが標準ですので、分解したときに回転が重いからと言って潤滑剤なんか吹き付けてはダメですよ!