DATデッキのメンテナンスを行っているときに、カチカチに固くなったピンチローラーと遭遇するときがあります。その硬さはというと、「ゴム」ではなく、「プラスチック」のようです。
ピンチローラーの硬化によりグリップ力が低下すると、キャプスタンとの間に挟んでいるテープがスリップしますから、音飛び等の不具合が発生します。ゴムの劣化進行の度合いは、経年に大きく左右されますが、比較的新しい機種でも温度などの使用環境により発生しやすくなりますので注意が必要です。
それでは、この硬くなったピンチローラーをどうにかする方法はないのでしょうか?ピンチローラーの日常的なメンテナンスは、当店でも販売している「アメリカンレコーダーテクノロジーズ社のS-721H」を使用するのがベストです。このクリーナーで果たしてカチカチに硬化したゴムが復活するのかテストをしてみました。
方法は簡単です。クリーナーをガラス瓶に少量移し、そこにピンチローラーを漬け込みます。あとはゴム内部に浸透させるため2日ほど放置するだけです。
2日経ちました。さあどうでしょう。・・・実験は失敗です。元のままカチカチです。やはりここまで硬化が進んだゴムは復活しないようです。やはり日頃のメンテナンスが重要ですね。