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オーディオライフ:カセットデッキ、DATの販売・修理を行っています。故障でお困りの方はご連絡ください。

DTC-1500ES

SONY DTC-1500ES

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今回は、SONYの民生用DATではフラッグシップとなる1500ESです。

久しぶりに使用しようとしたところテープローディング以外は不可となったとのことです。

これまで、オーバーホールを含む3回の修理を行ってるとのことですが、基板のコンデンサーの液漏れがあった場合のダメージが心配です。

テープを入れて見ましたが、蓋が閉まった後、モーターの音が聞こえますが、数秒で蓋が開いてしまいます。早速修理に移ります。

この機種は、サイドウッドは取り外さずにメンテナンスが可能です。いつ見ても凄い造りです。電源だけで全体面積の4分の1以上を占めています。

標準のスポンジ製ヘッドクリーナーが付いていますが、劣化によりヘッドにダメージを与えていないか後ほど点検します。

一番心配な箇所を点検します。ドライブボードとその下の基板に取り付けられている基板実装型の電解コンデンサーですが、すべて交換済みとなっていました。おそらく以前のオーバーホールで交換されたものと思われます。ということは、今回はメカのみの不具合という可能性が高いと思われます。

メカに接続されているすべてのコネクタを外し、メカを取り出します。このメカはヘッドも含めDTC-77ESと共通です。

最初にヘッドの点検を行うため、カセットトレイを取り外します。トレイは左右のビス2本で支えられています。

標準のヘッドクリーナーは、経年劣化によりヘッド表面を侵しますので撤去します。

すでに劣化は始まっていて、触ると粉々になりました。ヘッドの状態はどうでしょうか?

肉眼で確認したところ、僅かに表面に付着物が見られます。場所がヘッドチップの真上のため、清掃が困難です。綿棒などを使用すると、ヘッドチップに引っかかって破損するおそれがあるからです。

そこでどうするかというと、ライト付きの拡大鏡と爪楊枝を使用して付着物を除去します。

ピンチローラーは、S-721Hを使用して清掃します。このクリーナーはピンチローラーのクリーニングにおいて効果は絶大です。当店のHPでも購入できますので興味のある方は是非お買い求めください。

ピンチローラーの留め具は割れかかっていて簡単に外れてしまいますので、抜け止め処置を行います。これまでピンチローラーが脱落して故障した機器を数多く見てきました。

続いてローディングメカ、リールメカの点検を行うためメカ底部の基板を取り外します。

これはヘッドのモーター用のコネクターですが、抜け止めタイプですので無理に引っ張ってはいけません。

基板を撤去したところです。一番上がリールモーター、左下はヘッド、中央右がキャプスタンモーター、右下はローディングメカです。

よく見ると、モードベルトが切れています。これが故障の原因のひとつです。ベルトには無数のひび割れが生じていました。トレイ開閉用のベルトはまったく問題がありませんでしたので、交換時期、あるいはゴムの材質が異なっているものと思われます。

ユニットを取り外していきます。可動式テープガイドを駆動するリングギヤに茶色いグリスが塗られているのが見えます。おそらく硬化が進んでいます。

リングギヤを取り外しました。やはりグリスの硬化により本来スライドしなければならない箇所が固まっています。これが故障の原因の2つ目です。CRCで古いグリスを除去した後、再グリスを施します。

続いてリールメカです。この状態でリールを指で回すと、ブレーキが若干効いて回転が重いのが正常ですが、固着して左側が回転しません。故障の原因の3つ目です。

こうなるとパッドの交換が必要です。固着箇所を剥がすと写真のようにリールにパッドが貼り付いたままとなるからです。

中央の白黒のパーツにパッドが取り付けられています。

左は張り替え前、右は張り替え後です。後は元通りに組み立てていきます。

ここで少し気になることがありました。中央右下の穴は、キャプスタンが貫通するところですが、そこにワッシャーが接着されています。

この処置は、DTC-57ESで見たことがありますが、それ以外の機種では初めてです。状態から見て修理時に取り付けられたものと思われます。テープの巻き込みなど何らかの不具合があって、このワッシャーでキャプスタンの傾きを修正でもしたのでしょうか?今となっては知る由もありませんので、このまま組み立てを継続します。

この機種とDTC-77ESは、リングギヤの調整機構があり、若干取り付けは面倒です。ガタが無く、かつスムーズに回転するよう取り付けます。

まずは本体に仮組し、動作チェックを行います。ここでトラブルが発生しました。テープ走行が不調です。何かブレーキが掛かっているような感じですぐに停止してしまいます。

リールモーターの不具合かと思い、再度メカを分解し点検しましたが、物理的な異常は見つかりません。ということは、基板の故障でしょうか?3回ほど分解・組付けを繰り返しましたが状態は変わりません。そこで試しに別なテープを使用するとまったく問題なく動作しました。念のため、最初に使用したテープをほかのデッキで再生してみましたが走行不可でした。昨日までは問題なかったのですが・・・。少し焦りましたが、今回のようなテープの不具合というのは決して珍しいことではありません。気を取り直して点検を再開します。

テープパスの点検、録音再生チェックを行い修理は完了しました。これでまだまだ現役として活躍できますね。DATの修理は当店にお任せください。

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