3週間ほど前にDTC-77ESの修理を依頼された方から、今度はDTC-2000ESの修理依頼がありました。
不具合の状況は、「電源投入するとモータ異音の後EJECT出来ず使用不可」「録音ボタンと早送りボタン押下時の表示パネル暴走」です。
いずれも2000ESの典型的な故障です。
動作状況を確認します。操作を受け付けません。
特定のボタンを押すと、象形文字のような模様が花火のようにキラキラします。電源をOFFにしない限り元に戻りません。
外装も綺麗な機体ですが、中身もほとんど埃が無く綺麗です。
まずはメカの修理を行います。トレイベルト、ピンチローラーの状態は良好です。ヘッドクリーナーはアームのみ残っていますが、
不要なので撤去します。ヘッドドラムの表面とチップの状態を拡大鏡で点検します。ドラムに小さな汚れが付着していますので除去します。
メカにアクセスするためメカ底部の基板を取り外し、
リールメカとキャプスタンモーターを取り外してリングギヤの状態を点検します。スライドする部分が途中で固着しています。この状態のため、まったく操作を受け付けなかったものと思われます。
リングギヤも取り外します。プーリーがストレスなく回転するか、異音はしないか点検します。
固着はしていますが、過去に一度はメンテナンスを受けているのか比較的状態は良好です。
CRCで古いグリスを溶かし、ふき取った後に再グリスします。
ベルトも交換します。
スムーズに動作するかチェックしながら組み立てていきます。
リールメカの点検を行います。この状態でリールを指で回すと一定程度抵抗感がありますので正常と思われますが、念のため目視で点検も行います。
剥がれや摩耗はありません。
本体に配線し、試運転を行います。良好です。
続いて表示パネル暴走の修理を行います。暴走は、スイッチ接点が劣化し接触抵抗が増大することによりマイコンがエラーになり起こります。
まずは元々のスイッチを撤去します。
交換終了です。
スイッチの接触抵抗値を測定します。交換したスイッチのうち2・3個が数十オームを示しました。
RFシグナル、録音再生状況の点検を行い修理完了です。