少し前に当店からCT-970を購入されたお客様からお電話をいただきました。用件は機器の不具合についてです。お話を伺うと、突然再生ができなくなり、その後テープの取り出しも含め一切動作しなくなったとのことです。
最初はアイドラーが空転しているのかと思いましたが、イジェクトまでできないということはほかのトラブルです。古いテープを使用したということでしたので、もしかするとそれが原因かもしれません。
機器が到着しました。やはりトレイが開きません。ヘッドが下がり切っていないのでしょうか?
フロントパネルを外してヘッド周りを点検します。ヘッドとピンチローラーは所定の位置まで下がっていますので引っ掛かっていません。
見つけました。左側ピンチローラーの上にあるキャプスタンにテープが巻き付いています。これだけの量が巻き付いていては、そう簡単には外れません。
ここは「急がば周れ」です。手間は大変掛かりますが、キャプスタンを抜いてやるのが最も確実です。メカを取り出して、背面の基板、トレイのダンパー、ロータリーエンコーダー、バックパネル等を外してキャプスタンを引き抜きました。
やっと救出できました。懐かしいTDKのSAです。結構な量のテープが巻き付いていたのが分ると思います。
取り出したテープの表面は、やはり汚れが付着していました。古いテープの管理には十分お気を付けください。