一昨日のGX-93の兄弟機といえるGX-Z9000の修理を行いました。
数か月前からテープが引っ掛かるようになり、オーナー様自ら改善を試みたものの断念されたということです。
トレイが取れかかっています。ハメコミ部が外れたものと思われます。
早速カバーを開けてメカブロックを取り出します。
やはり鉄製の金具が変形しトレイのハメコミ部が外れています。
反対側は、ワッシャーが脱落・紛失していました。(写真はスペアパーツを取り付け後です)
最初にトレイの修正を行います。
両サイドに4つ設けられている、カセットを押さえつける樹脂製スプリングを整形します。
グリスの硬化が進行し、右側のピンチローラーアームの動きがかなり重くなっています。
それ以外の可動部に塗布されたグリスも固まりかけています。
ヘッド周りの分解を行いました。
硬くなったグリスを拭き取ってシリコングリスを塗布します。
本体側も同様です。
ピンチローラーは同サイズの代替品に交換します。
ヘッド周りの組み立て後です。キャプスタンが汚れていますが、この後の作業過程で清掃します。
左右リールとアイドラーを取り外します。
ブレーキパッドが取れ掛かっています。不織布製のものに貼り替えます。
左右リールのアイドラゴム接地面を清掃します。結構汚れています。
アイドラーゴムはかなり固くなっています。もちろん新品代替品に交換します。
これで前面部の整備が完了です。
続いて背面部に移ります。
キャプスタンベルトです。表面に汚れ、裏面は荒れていますので新品交換します。
カムモーターのベルトは標準よりも細めのものが2本掛けされていました。このベルトはスリップさえしなければ特にどういったものでも問題はありませんが、新品交換します。
キャプスタンベルトの当たり面の清掃を行います。
組み付け不良?により接点が変形してしまったテープセレクターのスィッチは、中古スペア品と交換します。
メカの整備が完了しましたので本体に組み込み動作テストです。快調です。
テープの走行状態の目視点検、テープ速度の点検、
ヘッドアジマス調整、
録再バランス調整を行い修理完了です。
当初オーナー様は、買い替えか修理かお悩みでしたが、内外装や音質など状態の良好な機体でしたので、修理を選択されて大正解だと思いました。
GX機の修理は当店にお任せください。