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C-2X

TEAC C-2X

投稿日:2019年12月13日 更新日:

以前からお取引いただいているお客様からTEACのC-2Xの修理依頼をいただきました。

テープ走行不可ということです。この機種は周波数特性の大幅な改善が可能な倍速録再システムを搭載しています。

テープをセットするとモーターが高速回転する音が聞こえますが、操作ボタンを押しても無反応です。

早速カバーを開けて点検を行います。

予想通りキャプスタンベルトが溶けて無くなっています。そのためモーターが高速回転し異音を発していたようです。

メカを取り出すためにフロントパネルを外します。

RECVOLは左右独立型ですが、ギヤで連動していて片方を回すと、もう片方も一緒に回る仕組みになっています。

かなり大型のメカです。

メカ後部のプレート、フライホイールの順に分解します。これでアイドラーにアクセスできます。

アイドラーゴムは2本ともカチカチに硬化し割れています。特殊なサイズですので発注を行います。

ほかの部分の点検を進めます。これもアイドラー?と思いましたが、回転を検知するためのマグネットです。トランジスタのようなものはセンサーです。

カウンター用のベルトも硬化していますので新品に交換します。メカの可動部がスムーズに動くか点検を行います。

溶けたベルトを除去します。パーツが入荷するまで、ここで一旦作業は中断です。

パーツが入荷しました。外径22mm内径17mm厚さ2mmです。

【2019/12/23追記】外径22mmではスリップしましたので、23mmに交換しました。

キャプスタンのシャフト部にグリスを塗布し組み付けます。ベルトは内径80mmです。

ヘッド周りの状態は良好です。専用クリーナーで清掃します。

念のためテープ走行の状態を目視点検します。

315Hzのテープを再生しています。少しテープ速度が速いので、

向かって左側面に調整トリマがあります。右が標準、左は倍速です。

メーターが左右に振れますので315Hzを中心に振れるように合わせます。

倍速です。先ほどと同様に調整します。

ヘッドアジマスの点検を行います。僅かに狂いが見られます。

調整後です。

バイアスの調整を行います。3種類の周波数(315Hz、1000Hz、10000Hz)を録音再生モニターします。

バイアス調整により高域レベルを合わせた後に、録音レベルをテープポジションごとに調整します。

修理完了です。

【12/14追記】

オーナー様から倍速録音の効果についてご質問がありましたので、簡易的に測定してみました。

10kHzの信号を録音したときに入力と出力が同レベルになるようにバイアス調整を行っています。

16kHzの信号を録音し、どの程度レベルが減衰するか測定します。まずはノーマルテープを「スタンダード(標準)」で録音します。

再生モニターしました。1.5dBほどレベルが低下しています。

続いて、同じテープで「ハイ(倍速)」で録音します。

ほとんどレベルが低下しません。通常、この周波数になると聴感には影響しませんが、やはり倍速の効果は絶大です。

-C-2X
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