先週に引き続き、PIONEERの高級DATデッキ、D-07Aの修理です。
不具合の状況としては、「テープが絡み付くようになった。」「録音が出来なくなった。録音スタンバイ状態にならない。」「音割れがし、まともに再生出来ない。」ということです。
トレイ開閉はOKです。テープをセットしてからイジェクトすると、テープが引き出されたまま出てきました。
音割れがするということでしたが、到着した時点では無音状態になっています。
ローディングベルトはこの機種のウィークポイントのひとつです。現在はスリップはしていませんが、予防策として滑りにくいバンコードに置換します。
メカを裏返してリールベルトを交換します。
メカをコントロールするロータリーエンコーダーを取り外します。
接点が汚れています。右写真はアルコール清掃したところですが、接点がスライドする部分に段差が生じています。
段差を研磨、スライド接点用専用グリスを塗布し元通りに組み付けます。
続いてウイークポイントのひとつ、RFユニットです。
基板実装型の電解コンデンサーをリード型に交換します。22μFに液漏れが見られました。
メカを本体に戻します。音出しOKです。
96kハイサンプリングモードをはじめ、アナログ、デジタル両方で録音テストを行います。
ところが、光入力に切り替えると、サンプリング周波数が勝手に切り替わり、スタンバイ状態になりません。しかし、同じデジタル入力でもコアキシャルでは正常に動作しますので、深刻な故障ではありません。
光ケーブルを動かすと正常に戻ります。接触不良が起きています。
リヤパネルを外してみました。基板を取り外さないと修理できないようです。
少し大ごとになりました。2層になっている基板やらコネクタやらを取り外します。
やはり光INPUT端子の半田部にクラックが起きていました。OUTPUT端子とともに再半田処置を行います。
無事治りました。
ここもこの機種のウィークポイントですが、珍しくヘッドホンVOLのガリは発生していません。
最後にケーブル類を結束バンドで固定して、完成しました。