これまで何度かお取引いただいているお客様から、TC-K222ESGの修理依頼をいただきました。
「レストア品」ということで中古購入したものの、テープにキズが付くという不具合があるということです。購入先では治せなかったということで、当店に修理依頼がありました。
ダメージを受けたテープも一緒にお送りいただきました。いわゆるワカメ状態です。テープがテープガイドとヘッドから脱線するとこのような状態になります。
点検を行います。ベルト類やキャプスタンモーターの電解コンデンサーは交換済みのようです。
メカを取り出してヘッド周りの点検を行います。ピンチローラーは左側のみ交換されています。
しかし、一番怪しいのは、その交換された左側のピンチローラーです。
予想通り位置が狂っています。
ピンチローラーを分解しました。なぜかワッシャーを挟んでいます。ピンチローラーの表面はゆるやかな曲面になっていますので、こういった処置はかえってテープ走行の妨げになります。
念のため左右とも新品に交換します。
製造時の位置に調整を行います。
テープ厚が薄く、デッキにとって条件の厳しい150分テープで走行テストを行います。テープの始めと終わりではテープテンションが変化しますので、数往復走行させて問題が起きないか確認します。
2日かけて検証しましたが不具合は再発しません。走行状態良好ですので修理完了とします。
カセットデッキの整備は、分解してベルト交換すれば良いというものではなく、最後の調整が肝心です。中古品を購入される場合は十分ご注意ください。