Audiolife - Enjoy your audio life!!

オーディオライフ:カセットデッキ、DATの販売・修理を行っています。故障でお困りの方はご連絡ください。

日記

ワウフラッターの測定

投稿日:2020年4月19日 更新日:

デジタル時代の現在において、「ワウフラッター」という言葉はほとんど耳にすることは無くなりましたが、私のような世代でアナログオーディオ、特にレコードプレイヤーやテープデッキをお使いになった方は、よくご存じかと思います。

厳密には、「ワウ」と「フラッター」という、周波数の上下に関する別な現象を合わせて表現した言葉になりますが、「ワウ」が周期の長いものであるのに対し、「フラッター」は周期の短いものを指します。

簡単に説明すると、再生音の揺れということになりますが、ワウフラッターは、モーターでレコードやテープを回転させるアナログ機器にとっては避けられない現象で、その性能が低い場合、ピアノの演奏などを録音した際に、ビブラートが掛かったように聞こえます。

そのため、アナログオーディオ全盛期においては、各メーカーがワウフラッター値の低減にしのぎを削り、特にテープスピードの遅いカセットデッキでは、モーターによる回転の乱れを吸収するフライホイールの大型化や、自動で回転ムラを修正するクオーツロックなど、さまざまな技術が投入され、1970年代では0.1%程度であったものが、1980年代では0.02%程度まで向上するなど高性能化が図られました。

しかし、メーカーが公表している値は、新品時のものですので、製造後30年以上経過したデッキでは、各部の摩耗や経年劣化などにより、ワウフラッター値が悪化している場合が少なくありません。といっても、悪化したものを元に戻すのは新品パーツが入手できない状況では非常に困難と言えます。

前置きは以上として、今回、果たして30年以上経過したデッキがどの程度のワウフラッター性能を有しているか、実測してみました。

もちろん、入手困難なワウフラッターメーターなどは用いずに、マニアの方が製作したフリーソフトを使用します。

パソコンで3150Hzの信号を発生させます。

その信号をデッキで録音し、再生モニターします。

ワウフラッター値の測定は、録音のみ、または再生のみで行うこととなっていますが、今回測定する値は、録音時のワウフラッターと再生時のワウフラッターが重なったものとなります。

したがいまして、実際の数値よりも高い(性能が低い)値となりますことをお断りします。

そのモニター音を別のパソコンで取り込み、フリーソフトで測定します。値は0.03強です。

いくつか他機種でも測定しましたが、ほとんどが0.03~0.06程度の値となり、意外ではありましたが性能は保たれていることが判りました。

余談ですが、中古デッキにおいてワウフラッターの良し悪しを決める要素としては、

1 モーター(キャプスタンモーター及びリールモーター)の劣化の度合い

2 キャプスタンベルト・ピンチローラーの精度

3 バックテンションの強弱

以上が主なものとなりますが、AKAI(A&D)のGX機では「3」が相当のウエイトを占めていて、テープ終盤で音揺れが発生するときはバックテンションが強すぎる場合ですのでご参考としてください。

-日記
-,

執筆者:

関連記事

今日の出来事(maxell社製ワイヤレススピーカー)

先日、ネットで何かを検索しているときに、たまたま偶然、ある商品が目に飛び込んできました。 これは何かというと、カセットテープを模したワイヤレス(Bluetooth)スピーカーです。maxellが販売し …

カルチャークラブ

  先日落札したカセットデッキを当店のショッピングサイトに出品するために修理をしようとしたときのことです。 故障によりトレイ開閉ができなくてテープが閉じ込められています。こういったことは決し …

デジタルノギス

期間限定のTポイントを消化するために「デジタルノギス」を購入しました。 ヤフーショッピングで送料込み713円です。 カセットデッキを整備するときに、避けられないのがテープパス調整です。これが狂うと正確 …

ゴムの劣化(その2)

今日はゴムの劣化のうち、加水分解についてです。 SONYのカセットデッキでESG以降の機種のアシストモーター(トレイ開閉とヘッドの上下を駆動します)のベルトに発生します。他メーカーでもAIWAやTEA …

結露に注意!

今年もあと2か月余りを残すところとなりました。私が住んでいる北海道では早くも初雪を迎えたところもあり、朝晩は大変冷え込んできました。 それでも、こちらはもうストーブで部屋の中は暖かくなっていますので、 …

検索

2020年4月
« 3月   5月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

住所
066-0038
北海道千歳市信濃3丁目11-1-1
Audiolife 代表:小西隆幸
050-3717-0768(留守電専用です。トラブル防止のため、緊急時以外は記録が残るEメールをご利用ください)
E-mail:audiolife2017@gmail.com

営業時間
月〜金: 9:00 AM – 5:00 PM
土: 9:00 AM – 12:00 PM