今日は私も所有しているSONYのTC-K555ESLの修理を行います。
新品のような外装です。
この機体も例に漏れずトレイが開きません。
内部も綺麗です。
メカを取り出してカセットホルダーを切り離します。
カセットを押さえるスタビライザーが切れていますので補修を行います。
ピンチローラー、アイドラーを取り外し、キャプスタンモーターを切り離します。
モーターを分解したところ、基板上にあるはずの電解コンデンサーが外れてマグネットに張り付いています。
電解コンデンサーの液漏れにより、基板が損傷を受けています。ESシリーズではこのESLがダメージが最も大きいようです。
損傷した基板には半田が載りませんので、別な位置に端子を接続します。555ESLは、フライホイールの厚みが大きいため、基板とのクリアランスが小さく、コンデンサの取り付け位置は注意が必要です。
【5/18加筆】読者の方からコンデンサー端子の絶縁処理についてご指摘をいただきましたが、掲載している写真は、作業途中のもので、その後、最終的な絶縁処理を行っています。
キャプスタンのシャフトにグリスアップを行い、ベルトを新品に交換します。
メカフロント部を分解します。
最も肝心なベルトが溶けてプーリーに巻き付いています。
綺麗に清掃し、新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを取り外し分解します。
汚れを除去し、接点部分の段差を研磨します。仕上げにスライド接点専用グリスを塗布し組み立てます。
テープ検出スイッチの接点を清掃します。
元通りに組み立てていきます。
ピンチローラーを新品交換します。
メカを本体に組み付け、操作テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視で点検します。
315Hzのテープを再生してテープ速度の点検を行います。許容値内です。
ヘッドアジマスを調整します。
バイアス調整を行い、入出力レベルの調整を行います。
最後に聴感テストを行い、
修理完了です。重厚感のあるデザインですね。