久しぶりにTASCAMの112RmkⅡの修理依頼をいただきました。
精悍なデザインです。
早送り巻き戻しはOKですが、再生できません。
カバーを開けます、メカを取り出すためには、後ろの基板を少し寝かす必要があります。
メカを取り出しました。まずは背面から整備します。
フライホイールを押さえているプレートを外します。ベルトにたわみが見られます。加水分解が進行しフニャフニャです。
続いて、このカムモーターを取り外します。
そこにギヤが現れますが、ほぼ100%割れています。以前外国から取り寄せた互換品と交換します。
ロータリーエンコーダーの基板の接点を清掃し、スライド接点専用グリスを塗布します。
キャプスタンモーターを取り外し、リールユニットを取り出します。
アイドラーゴムを交換します。
アイドラーゴムの当たり面を清掃します。
新しいベルトを掛けて元通りに組み立てます。
カセットホルダーを切り離し、ブレーキ等の点検を行います。ピンチローラーは専用クリーナーで清掃します。
メカを本体に戻して動作テストです。テープ走行OKですが、
REV側の音質が籠っています。後ほど調整します。
315Hzのテープを再生してテープ速度の点検を行います。3%と大幅な狂いです。
調整場所はここです。上はピッチコントロールOFF、下はONです。
調整後です。
ヘッドアジマスです。FWDはあまり狂いは無かったのですが、
REVは、故障しているのか?と思ったほど狂っていました。調整後、音質は劇的に変化しました。
左右同レベルの入力を録音再生し、レベル合わせを行います。
聴感テストを行い、
完成です。