PIONEERの3ヘッドシングルキャプスタンカセットデッキ、T-D7の修理依頼をいただきました。
最近オークションにて入手されたとのことですが、
右チャンネルからまったく音が出ません。「音が小さい」「音質が変」というよりもこういった故障のほうが修理は容易ですが、回路図がありませんので、基板の故障の場合はバンザイ状態です。
カバーを開けて点検を行います。
まずは接触不良の点検を行うのですが、一発で故障個所を引き当てました。再生ヘッドのケーブルを触ると、突然右チャンネルが復活しました。このケーブルに不具合が起きています。しかし、コネクタ側ではないようです。
メカを取り外して、ヘッド側の接続部を点検します。異状は見られませんでしたが、少し引っ張ると、
白いケーブルが断線していました。もちろん、原因は使用上によるものではないでしょうから、この故障は製造上の問題ということでしょうね。
ピンチローラーを新品に交換します。13mm*8mm*2mmです。
ヘッドアジマスの調整を行います。僅かな狂いでした。
315Hzのテープを再生してテープ速度の調整を行います。
BLEでバイアス調整を行い、左右同レベルの信号を入力します。
それを録音再生モニターし、同じ角度、波長になるよう調整します。
最後に聴感で音質を確認し完成です。