TEAC V-6030Sの整備を終え、動作テストを行ったときのことです。
巻き戻しをすると、ガチャガチャガチャと音がして、うまくリールが回転しません。カセットテープがしっかりとセットされていないときのようです。しかしそんなはずはありません。
メカを確認すると、リールの中心部が引っ込んだままです。普通、この部分は、カセットがセットされやすいように、スプリングで前後に動くのですが、押されたまま戻りません。そのため、テープのリールが空回りしていたようです。
引っ込んているところを指で摘まんで引っ張ると、元に戻りましたが、テープをセットしたときに、また同じようになるのは容易に想像できます。
リールを取り外します。
左は正常な状態で、右は押されたまま戻らない状態です。スプリングの力では戻らないほど滑りが悪くなっています。
分解します。先端の細長いパーツを差し込むと動きが極端に悪くなります。経年によるプラスチックの変形が原因と思われますので、
ヤスリで削ります。
元通りに組み立てました。指を離すと自動的に戻るようになりました。
完全に治りました。右側のリールも同じような状態でしたので、同じ機種をお持ちのかたは一度点検することをお勧めします。