SONYのTC-KA5ESの修理依頼をいただきました。
十数年ぶりに使用しようとしたところ、不動状態いなっていたということです。
電源をONにすると、内部で十秒程度モーター音が鳴り響き、その後はまったく無反応状態です。
カバーを開けます。内部からトレイのロックを解除し、リッドを取り外します。
底板を取り外します。メカが固定されているこのプレートを少し緩めないとメカの脱着ができません。
メカを取り出しました。
メカ内部のモードベルトが溶けて切れています。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。
アイドラーとピンチローラーを取り外します。
キャプスタンモーターを切り離します。
キャプスタンモーターを分解します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトを掛けます。
モーター基板の電解コンデンサーに液漏れは見られませんが、
予防保全措置として新品交換します。
キャプスタンモーターのメンテナンスは以上です。
メカのフロント部を分解します。
ベルトが溶けてプーリーに巻き付いています。
洗剤でクリーニングします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
汚れた接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを塗布します。
テープポジション検出スイッチの接点を清掃します
順番に組み立てます。
ピンチローラーは表面に液状のものがにじみ出ています。新品交換します。
元通りに組み立てます。
本体に組み付けて動作テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状況を目視点検します。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしバランス調整を行います。
RECVOLにガリが見られます。
フロントパネルを脱着してVOLの側面の穴から接点復活剤を注入します。
最後に複数のテープで録音再生状況を確認し、完成です。