SONYのハイエンドカセットデッキ、TC-KA7ESの修理を行いました。
発売当時120,000円と高嶺の花で手が届きませんでしたが、25年以上経った現在でもそれは変わりありません。
トレイ開閉はOKですが、テープをセットして再生を開始すると、2秒ほど「ウーン」と唸りを上げて停止します。
カバーを開けます。
以前の機種と異なり、ヘッドの配線の取り回しが改善され、非常に整備性が良好になっています。
ただし、メカを取り出すためには、18本のビスを緩めて底板を取り外さなければなりません。
このプレートにメカが固定されています。
メカを降ろしてホルダーと化粧パネルを取り外します。
ヘッドとピンチローラーの状態は非常に良好です。
メカを分解します。キャプスタンモーターを切り離し、
分解します。
基板上のコンデンサーは交換済みです。初めて見ましたが、セラミックタイプに交換されています。技術の進歩によりセラミックでも大容量タイプが開発されていますので、近いうちにすべてこのタイプに置き換わるのではないでしょうか。
元々付いていたベルトです。標準(0.5mm厚さ)よりも厚めの1mmのものが取り付けられていましたので、交換します。
キャプスタンのシャフトにグリスを処置しモーターを組み立てます。
メカのフロント部を分解します。
ベルトの状態はそう悪くはありませんでしたが、スリップしていたのは間違いありませんので、新品交換します。
ロータリーエンコーダーを取り外します。
接点を研磨清掃(写真は清掃前)し、スライド接点専用グリスを塗布して組み立てます。
テープポジション検出スイッチの接点を清掃します。
メカを組み立てていきます。
仮掛けしてあったベルトをモータープーリーに掛け直します。
キャプスタンモーターを組み付けます。
ヘッドの少し上に金属同士が擦れる箇所がありますので、注油を行います。
メカのメンテナンスが完了しましたので、本体に戻して動作テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状況を目視点検します。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。ジャストです。
ヘッドアジマスの調整を行います。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしてバランス調整を行います。
複数のテープで録音再生状況を確認し、完成です。