3ヘッドのカセットデッキをお使いの方は、定期的なヘッドの消磁が必要ということをご存知かと思います(2ヘッドはひとつのヘッドで録音と再生を行いますので、自然に消磁されます。)。
しかし、ヘッドの帯磁によって不具合が生じたり、消磁によって状態が良くなったという経験をされた方は少ないと思います。
先日、古い3ヘッドデッキの修理を行ったときのことです。整備を終えて、録音再生状況の確認を行っているときに、
無音部分で、わずかに左CHのメーターが振れていることに気が付きました。アンプの音量を上げると「サー」というノイズが聞こえます。古いデッキですので、最初は回路を構成しているトランジスタやコンデンサーの劣化が原因だろうと思っていました。実際に録音再生してみると、左CHの音が妙に籠っています。
「これは修理が難しいかな」と思いましたが、あることに気が付きました。整備後にヘッドの消磁を行うことを失念していました。
早速、消磁を行ったところ、不具合は完全に解消されました。私も長いことカセットデッキを取り扱っていて、これほど状況が変化したことはありませんでしたし、片チャンネルのみ不具合が発生することがあることも初めて知りました。
以上何かのご参考となれば幸いです。