約3年ぶりにTEACの高級カセットデッキ、V-7010の修理依頼をいただきました。
テープの巻き込み、録音バランスの狂い、という不具合を抱えているということです。オーナー様はバックテンションに問題があるのでは、ということでしたが、私もその可能性はかなり高いと思いす。
カバーを開けます。メカの上部にはテープセレクターのスイッチに関係するシールドを兼ねたプレートが取り付けられています。正常に動作させるためには、組み付けにコツが必要ですので、取り外す際には事前に十分な観察を行います。
フロントパネルを前方に引き抜き、メカを降ろします。
後継機のV-8030Sとほぼ同じメカです。
化粧パネルを取り外します。やはりバックテンションベルトがありません。
溶けて下に落ちていました。
左側のリールを取り外して汚れを拭き取ります。これが原因でオートストップが勝手に動作することがあります。
新しいベルトを取り付けます。
ベルトが少し緩めです。
フライホイールのバックプレートを取り外し、
キャプスタンのシャフトにグリスを処置し、ベルトを交換します。
続いて接点の清掃を行います。
スイッチを脱着してサンドペーパーで接点を磨きます。
ピンチローラーは弾力がありますので、表面を軽く研磨し、専用クリーナーで処理します。
メカのメンテナンスが完了しました。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。直線の長さは高域の出力を表しています。
バイアスとレベル調整を行い、左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしてバランス調整を行います。
数種類のテープで録音再生状況を確認し、完成です。