PIONEERのDATデッキ、D-05の修理依頼をいただきました。
早送り巻き戻しはOK、再生に不具合があるということです。また、発送前にはトレイ開閉も不可となったということです。
イジェクトボタンを押しても「OPEN」表示が出るのみで、モーターの動作音も聞こえません。
モーター音も聞こえないというのは珍しい状況ですが、回路の故障でしょうか?
手持ちのジャンクメカを接続してみます。すると、トレイ開閉はOKでしたので、メカ本体の問題のようです。
メカの整備を行います。
このトレイメカには、製造時にシリコングリスが塗布されているのですが、指差ししているところはなぜかそれがなされていません。左右計4か所、シリコングリスを塗布します。
メカを裏返してトレイユニットを切り離します。
モーターに直接電圧を印加し、しばらくの間、放置します。これで内部接点の接触状態が改善されます。
メカに取り付けられているRFユニットの電解コンデンサーを交換します。
テープの検出スイッチです。内部に微量、接点復活剤を注入します。
ピンチローラーの状態は良好です。
メカを裏返しました。
ローターリーエンコーダーを分解し、接点を研磨清掃します。仕上げにスライド接点専用グリスを塗布します。
テープガイドを駆動するパワーモーターも脱着し、先ほどと同様、直接電圧を印加し数時間放置します。
メカを組み付け、本体に戻します。
トレイ開閉、テープ走行はOKになりました。
ヘッドホンVOLにガリが見られますので、内部からVOL背面の隙間に接点復活剤を注入します。
モード別、入出力別の録音再生状況を確認し、完成です。