当店で修理したBX-2ですが、症状が再発したとご連絡をいただきました。前回の修理記事は以下のとおりです。
症状は、突然テープ走行が停止し操作不能になるというものですが、これまでの修理事例では、リールモーターの内部接点の接触不良が原因であることがほとんどでしたので、前回修理においてもモーターのリフレッシュを行いました。その後の動作確認でも不具合は発生しませんでしたので、修理完了と判断をし、オーナー様の元へデッキをお返ししました。しかし、再発したということは、モーターのOHが必要な状態だったのでしょうか?あるいはほかに原因があったのでしょうか?
早速機器をお送りいただきました。もちろん保証対応です。しかし、2時間ほど動作確認を行いましたが、不具合は再現しません。オーナー様のお話では、再生や早送り中に急に停止するということですが、経験上、モーターが原因で早送り中に停止するというのは基本的にはあり得ないはずで、今回の修理はここが重要なポイントでした。
写真は撮り忘れましたが、まずはモーターを分解し、内部の接点を清掃しました。これで改善されたかどうかを検証するのは、かなり時間が掛かります。
数時間経過し、「これで大丈夫かな?」と思い始めた頃です。電源を切ってから、しばらくして電源を入れて再生を開始しようとしたところ、リールが回転しません。モーター以外に原因があったのでしょうか?
そこで、リールモーターの端子に、電圧計を接続しました。これで、不具合が生じたときに電圧が掛かっているかそうでないかで、原因の切り分けができます。電圧が掛かっていればモーターの不具合ということになります。
しばらくして症状が再発しました。そのときのモーターの電圧はというと、再生ボタンを押してもゼロです。ということは、回路のどこかが故障していることになります。
再生ボタンを押しながらメカのコントロール系のコネクタを揺すると、電圧計の表示がチラチラしました。ここが原因でしょうか?それを確かめるために、本体の底板を取り外して、コネクタの半田付けの状態を点検したところ、わずかにクラックが見られましたので、再半田を行います。
それから3日ほど経ちましたが症状が再発することは無くなりました。接触不良の解消は修理者にとって永遠のテーマです。