今回は少し変わった修理のご依頼です。
ナカミチのZX-5ですが、
バイアスのVOLがバカになっていてバイアス調整ができません。以前ナカミチ専門店で整備された時に「部品が無い」ということで修理不可扱いとなったということです。今回は、「外付けでも何でも構わないからバイアス調整できるように」というご依頼です。
技術的には可能ですが、最終的にどのような仕上げにするかが問題です。
化粧パネルを取り外しました。スイッチ基板はネジ3本で固定されています。
基板ごと取り出しました。
2連100kΩの小型の可変抵抗です。ネットで似たようなパーツを検索し発注します。
注文後2日で到着しました。先端の形状は少し異なりますが、サイズ的にはほぼ同一です。
交換します。
本体に組み込む前に動作テストを行います。
仕上がりはほぼ純正です。唯一異なるのは、センタークリックが無いということですが、これは仕方ありません。
バイアスの効き具合も確認します。315Hz、1000Hz、10000Hz、12500Hzの4種類の信号(緑色の縦グラフ)を録音し。再生モニターします。左写真はバイアスツマミがMAXの位置、右写真はMINの位置です。高域の10000Hzと12500Hzの出力が異なっているのが分かると思います。使用しているテープは安価なマクセルのULですが、ほぼフラットな特性です。さすがナカミチです。
以上修理完了です。