少し前に当店でGX-93を修理されたお客様からのご依頼です。
KENWOOD製2ヘッドシングルキャプスタンデッキ、KX-5010です。まったく不動ということでしたが、
当店の点検では問題無く動作しました。輸送中の振動で接触不良が解消されたものと思われますが、そう遠くないうちに再発することは間違いありません。
カセットの出し入れも引っ掛かりがあるということでしたが、こちらも問題ありません。オーナー様に以上の状況を報告し、今回は通常必要となるメンテナンスを行うということになりました。
カバーを開けました。SANKYO製のメカです。
メカを降ろしました。
このSANKYOメカでは、背面の奥にあるスイッチの接点が接触不良を起こし動作不良となります。
そのためにはこの陰に隠れているビスを緩める必要があります。
キャプスタンモーターを固定しているナットを取り外し、支障となるプレートを取り外します。
これでカムモーターユニットを取り外すことができますので、接点を清掃し、
モーターの端子に直接電圧を印加し、半日ほどモーターを空転させます。これでモーター内部の接点の接触状態が改善されます。
キャプスタンモーターの基板を脱着し、フライホイールを引き抜いて、シャフトにグリスを処置します。
ピンチローラーの表面を研磨し、専用クリーナーで清掃しあmす。
左右リールを取り外し、異音防止のためグリスを塗布します。
テープ検出スイッチの接点を清掃します。
テープポジション検出スイッチの接点を清掃します。
整備が完了したメカを本体に戻して動作テストを行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
この機種には、ATCSボタンでバイアスとレベル調整を自動で行います。
録再バランス調整を行います。
聴感で録再状況を確認し、完成です。