少し前に当店でTC-K222ESJの修理されたお客様からのご依頼です。
TC-K555ESLを購入されたということですが、
テープも一緒にお送りいただきました。このデッキでクシャクシャになったということです。それ以外にもリモコンが反応しない、左右レベルの狂いなどがあるということです。今回は、「リフレッシュメニュー」+「ピンチローラー交換」を行います。
ピンチローラーが原因でしょうか?パッと見は問題は無いように見えますが・・・
メカを降ろして分解を進めます。
ピンチローラーの位置が大幅に狂っています。おそらく、ベルト交換した際に脱着したものの、調整を行っていないため、テープ走行が乱れたものと思われます。
ピンチローラーアームとアイドラーを取り外します。
ピンチローラーを交換します。
キャプスタンモーターを切り離します。
キャプスタンモーターを分解します。
基板上の電解コンデンサーに液漏れが見られます。
交換を行います。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトに取り替えます。
メカフロント部を分解します。
ゴムベルトは比較的最近に交換されたようです。
プーリーを脱脂し、新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを塗布します。
テープポジション検出スイッチの接点を清掃します。
元通り組み立てます。
動作OK[です。
ミラーカセットを用いてテープの走行状況を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認します。
リモコン不調の修理を行います。疑わしいのは、受光部です。フロントパネルを取り外し、
この基板に受光ユニットが取り付けられていますが・・・ここで目を疑うような状況が見られました。
受光ユニットの端子の半田が無くなっています。もちろん人為的なものです。ESLシリーズでは、受光ユニットの故障により誤作動を起こすことがありますので、以前のオーナーが対処療法として、受光ユニットを基板から切り離したものと思われます。先ほどのピンチローラーの件もそうですが、ここまで手を加えるなら修理までするべきですが、中途半端な知識しかなかったのでしょうね。
基板を正面から見たところです。
代替品に交換します。
動作確認を行います。
完成しました。