近郊の札幌市にお住まいの方からのご依頼です。
2年ほど前から不動となっていたということです。
モーター音は鳴りますが、トレイが開きません。
カバーを開けます。
メカと基板を取り外します。
この機種とESAは、まずは基板を修正します。アースラインとして銅板が用いられていますが、
その半田部にクラックが発生し、いずれ不具合が発生しますので、銅板の半田付け箇所すべてを補強します。また、折角ですので、入出力端子の半田箇所も補強します。
続いてメカのメンテナンスです。
ピンチローラーアームを脱着する際には、必ず元の位置を測定します。その結果、取付シャフトが抜け出していることがわかりました。
ピンチローラーアームとアイドラーを取り外します。
ピンチローラーを交換します。
キャプスタンモーターを切り離します。
分解します。
先ほど異状が見られたシャフトは簡単に外れてしまいます。差し込みの圧入部に抜け防止処置を行います。
モーター基板の電解コンデンサーに液漏れが発生しています。
新しいコンデンサーを取り付けます。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトを掛けて組み立てます。
メカのフロント部を分解します。
ベルトが溶けてプーリーに貼り付いています。
オレンジクリーナーで清掃します。
新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
よふぉれた接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを処置します。
テープポジション検出スイッチの接点を清掃します。
元通り組み立てます。
ピンチローラーは製造時の位置に調整します。
本体に組み込んで走行テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状況を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアスキャリブレーションの動作良好です。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、完成です。