少し前に当店でCR-70を修理されたお客様からのご依頼です。
10年ほど保管状態だったということです。
トレイが開きません。また、片CH録音不良があるということです。
カバーを開けました。
ロックを指で解除してトレイを開き、リッドを取り外します。
メカを取り出して分解を進めます。
キャプスタンモーターユニットを切り離します。
モーターユニットを分解します。
液漏れが見られるコンデンサーを交換します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトに交換します。
メカフロント部に移ります。ベルトが溶けてプーリーにこびり付いています。
分解します。
こちらにもベルトが巻き付いていますのでプーリーを脱着して洗浄します。
新しベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
接点を研磨清掃します。
テープポジション検出スイッチの接点を磨きます。
元通り組み立てていきます。
ピンチローラーは状態が良好ですので、専用クリーナーで清掃し再利用します。
メカを本体に組み付け、動作テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
オーナー様のお話しどおり、LCHの録音が不良です。この症状は、以前、同機種で経験済みです。
キャリブレーションのRECLEVELの接触不良ですので、VOL背面の隙間から接点復活剤を微量注入します。
不具合は解消されました。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、修理完了です。