以前修理したNakamichiのCR-30ですが、「テープにシワが付く。特に早送り直後の再生時に不具合が起きやすい」「無音部分でハムノイズが聞こえる」というご連絡をいただきました。
早速機器をお送りいただきました。バックテンションベルトは前回問題無いことを確認していますが、
再生状態にしてサプライ側のリールを指で回すと、抵抗感があまりありません。
メカを降ろしました。
バックテンション用のパーツを点検します。
取り外して分解します。手裏剣の形をした板バネが黒色とアイボリーのパーツ間の摩擦力を強めるのですが、板バネがへたって、摩擦力が弱まっていたようです。必要な処置を加え、元通りメカを組み立てます。
続いてハムノイズの状況を確認します。ブランクテープを再生し、ヘッドホンで確認しましたが、ノイズは聞こえませんでした。
私の耳に問題があるといけませんので、計測器で測定します。ハム音は特定の周波数で発生しますので、検知されれば、写真(特定の周波数を録音したテープを再生しています)のようにグラフに表示されます。
続いてブランクテープを再生します。しかし、やはり検知されませんでした。ということは、オーナー様の環境の問題(接続状態や他機器との配置の関係など)と思われます。
テープ走行の最終チェックを行います。トラブルが発生したテープも一緒にお送りいただきましたので、不具合が起きやすいという早送り直後の再生という状況で何度も動作確認を行い、
修理完了です。