ナカミチのBX-2です。
中古品を入手したところ、「再生時にメカから異音」「Lchの出力不良」「音の歪み」「スライドVOLのガリ」などの不具合を抱えていたということです。
再生を開始しました。メカがガチャガチャと誤作動し、再生と早送りが交互に繰り返されます。出力も不定期に不具合が発生します。
カバーを開けました。出力の不具合は、切替用リレーの接触不良が疑われます。
底板を取り外し、テスターでリレーの導通を確認すると、絶縁状態であることがわかりました。
リレーを取り外して接点を磨きます。
出力の不良は解消されました。続いてメカの整備を行います。
メカを降ろしてカセットホルダーと化粧パネルを取り外します。
まずはカセットの検出スイッチの接点を磨きます。
カムモーターユニットを固定しているビス(指先)を緩めます。
キャプスタンモーターを取り外してカムモーターユニットを取り出します。
スイッチの接点を磨くとともに、モーターを空転させて内部接点のリフレッシュを図ります。
左右リールを取り外し、グリスアップします。
アイドラーギヤを取り外してリールモーターを無負荷状態で空転させます。
メカを元に戻して動作確認を行います。
フロントの化粧パネルを取り外してスライドVOLユニットを取り出し、隙間から接点復活剤を処置します。
ここで少し気になる状況が見られました。「電源をONにした後」と、「トレイを開閉した後」に再生を開始すると、一瞬、「ギー」という嫌な音が鳴ります。ただし、その後は発生しません。
動作自体は正常ですが、このままでは納得がいきません。
再度メカを降ろして、状況を確認します。指差ししているのは、リールのブレーキですが、ここから音が発生していました。
なぜかというと、電源をONにした後と、トレイを開閉した後に再生を開始すると、テープのたるみを取るために、一瞬左リールが逆方向に回転しますが、そのブレーキが掛かる時に、ギザギザのリールとゴムブレーキが接して音が発生します。
ゴムの劣化が原因ですので、シリコン製の代用品と交換します。これで嫌な音は解消されました。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
聴感での録再テストを経て、修理完了です。