今日のワンポイントメモは、AKAI、A&Dの特にGX-93、GX-Z9000、GX-Z9100シリーズ(姉妹機も含む)における再生時の音の揺れについてです。
デジタル機器と異なり、超アナログなカセットデッキにおいて、ワウフラッターは避けられません。ただ、聴感上問題となることはほとんどありません。
ところが、先に掲げたデッキでテープを再生していると、テープの頭の方では良かったのですが、テープの最後辺りになると、音が震えてくることがあります。明らかに分かります。
この原因ですが、
この写真は、左側リールを外したところですが、中央にブレーキパッドがあります。
これは何の役割を担っているかというと、テープ走行時にブレーキを掛けて、テープにテンションを与えています。これにより、テープが進行方向の垂直方向に振れる(ブレ)ことを防止し安定した走行を保つとともに、テープをヘッドに密着させることができます。
したがって、ブレーキパッドが脱落するなどした場合は、テープが振れてヘッドから脱線し音がこもったり、テープの巻きこみが発生します。
ところが、ブレーキが掛かりすぎるとどうなるでしょう?右側のリールの回転によりテープを巻き取っていますが、再生を進めていくと右と左のテープの量が次第に変化します。
これにより、ブレーキによって右側のリールに加わる力が次第に大きくなります。そしていよいよ安定した走行ができなくなって、音が揺れます。
標準のパッドは、フェルト製ですが、経年により変化し、表面が圧縮され固くなってきます。そうすると、リールとの摩擦抵抗が大きくなり、上記のようなことが起きます。
これを解消するためには、パッドの表面を削るか他の物に交換するしかありません。
以上本日のメモでした。