今回修理でお預かりした機器は、DTC-A8ですが、他機種と共通しますので、「ワンポイントメモ」に掲載します。
症状は、「再生音がザラつく、ノイズが乗る」というものです。
ヘッドからの信号を点検するとテープパスが狂っています。普通に使用していてテープパスが突然狂うということはほとんどありえません。何か原因があるのでしょう。早速メカの点検を行います。
原因が分かりました。リングギアが固着していました。そのため、リングギアで駆動される可動式のテープガイドが正規の位置まで上がり切っていなかったようです。
このリングギアは、DTC-1000ES,1500ES,2000ES,500ES,300ES,M100,55ES,A8,ZA5ESに採用されており、定評のあるメカニズムなのですが、製造時に塗布されているグリスが固まって完全に固着してしまいます。これまで見てきた機器の8割以上に固着がありました。
特に、500ES,300ES,M100,55ESについては、この固着が原因で樹脂製のギアに過大な力が加わり破損します。そうなると、修理費用も馬鹿になりません。
固着した状態でも正常に再生されることもありますが、いずれにしても大きなトラブルに至りますので、定期的な点検や整備を受けることをお勧めします。
当店ではメカのメンテナンス(消耗品の点検・交換、可動部グリスアップ)は10,000~20,000円でお請けしておりますので、ぜひご検討ください。