今日はゴムベルトの話です。
テープデッキには、ほぼすべてと言っていいくらいベルトなどのゴム製品が使用されています。
代表的なのは、キャプスタンベルト、アイドラー、ピンチローラーあたりでしょうか。そのほか、ヘッドの上下やトレイ開閉部などに用いられることがあります。
ゴムベルトといっても製造時期やメーカーによって使用されている材質がさまざまで、経年劣化により故障の原因となります。
当店では主にAKAI(A&D)とSONYのデッキを扱っていますが、AKAIは、キャプスタンベルトについては30年経過したものでも動作に影響が無いほど耐久性があります。それ以外については硬化や伸びによりスリップが生じ5年~10年程度で故障の原因となります。「トレイが勝手に開く」「リールが回転しない」というのはゴムベルトが原因の故障です。
また、SONYについては、ESG,ESL,ESAあたりの機種のアシストベルト(ヘッドの上下等を行う)が加水分解によりベタベタになり溶けてしまいます。「トレイが開かない」などの動作不良の原因となります。
カセットデッキの場合、リールの回転はモーターからギヤで駆動するものとアイドラーを介するものがあり、後者の場合でアイドラーゴムがスリップすると、テープの巻きこみの原因となりますので、適切にメンテナンスを行う必要があります。
ただ、同年代に製造された機種でも、劣化の激しいものとそうでないものがあり、おそらく、温度や湿度などが要因と思われます。
いずれにしましても、デッキを良好な状態に保つためには、最低でも5年に1度程度はメンテナンスを受けることをお勧めします。