本日の修理はAIWA( EXCELIA)のDATデッキ、XD-001の修理です。
トレイの開閉が不調で動作確認ができないといった状態です。おそらくメカ部は定番のトラブルを抱えていると思われます。
確かにローディング動作が途中で停止してしまいます。このデッキのトレイメカにはベルトが2本使用されていますが、交換が必要です。
トレイメカを脱着するためにはフロントパネルを一度外さなければなりません。SONYのDTC-1000ESと同様、メンテナンスには機体を何度か横にしたりひっくり返したりしなければなりませんが、超重量級のデッキのため夏場は汗だくなります。
トレイメカを取り外しました。やはりベルトがスリップしています。ベルトの交換、古いグリスの除去、新たにグリスアップしてこの箇所の修理は完了です。次はテープメカに移ります。
底面部の基盤のコネクタ類を外します。
メカを取り出しました。このデッキのヘッドには結露対策としてヒーターが装備されています。
珍しく可動式のアーム部の固着はありませんでした。一度メンテナンスを受けているのでしょうか。
次はここです。やはりギヤが割れています。このまま使用しているとギヤが割れて不動になってしまいますので、補修&補強を行います。真ん中の差し込み部を少し削りギヤに掛かる応力を減少させます。
メカをひっくり返し構成パーツを取り外しすべて点検を行います。
リングギヤも固着はありませんでした。大変珍しいです。右の写真は可動式テープガイドです。
左はキャプスタンモーターです。専用品なので貴重です。スムーズに回転します。右はドラムドライブボードです。液漏れはありませんが6個すべて交換します。実装型の10μFよりも通常型の100μFのほうがトラブルが多いようです。
リングギヤを駆動する樹脂製のギアも異常ありません。たまに固着しているときがあります。ベルトは完全に硬化しています。
元通りに組み立てて調整に入ります。ロータリーエンコーダーはローディング時にピンチローラーとキャプスタンの間隔が1mm程度になるようセッティングします。
エンコーダーの中心部をご覧ください。左はローディング時の位置、右はローディング前の位置です。
無事動作するようになりました。少しノイズが出てましたので、テープパスの点検を行ったところ少し狂いが生じていましたので調整し修理完了です。
大変ダイナミックな音です。音圧が高いという感じでしょうか。私も使用していますがおすすめのデッキです。