オープンリールやカセットデッキ全盛期には常識でしたが、ユーザーが定期的に行うデッキのメンテナンスとして、「ヘッドとピンチローラーのクリーニング」と「ヘッドの消磁」があります。
前者については以前記事にしましたので、今日は消磁についてお話しします。
テープメディアは、録音再生に磁力を用います。皆さんも経験があるかと思いますが、磁石と鉄を接触させると、鉄が磁石のようになります。デッキも同様で、繰り返し使用しているうちにヘッド自体が磁力を帯びてしまいます。
そうなるとどういった弊害が起きるかというと、余計な磁力の影響で、特に高域において音質劣化の原因となります。
そのため、使用時間に応じて定期的に専用の器具(イレーサー)を用いて消磁を行わなければなりません。
イレーサーは、オークションなどで出品されていますので、お持ちでない方は入手をお勧めします。
なお、稀に勘違いしている方がいらっしゃいますが、消磁が必要なのは、録音ヘッドと再生ヘッドが独立している3ヘッド機のみで、録再ヘッドが共用の2ヘッド機は、録音時に自動的に消磁されますのでご留意ください。