当店からGX-Z7100EVを購入されたお客様から不具合が発生した旨の連絡がありました。
表示パネルでテープ種類が時々表示されないとのことです。常時発生しない故障は原因の特定が難しく、修理は非常に厄介です。
写真を送っていただきました。確かに通常は左下に表示されているはずのテープ種表示が消えています。初めて見る故障です。この状態ではキャリブレーションも正常には動作しないとのことですので、単なる表示の不具合ではないことがわかります。早速機器を送っていただきました。
機器が到着した時点では正常に表示されていましたが、修理に取り掛かります。前回、GX-Z7100のメーター表示不良が半田クラックが原因でしたので、今回もまずは基盤を確認することにしました。
ありました。写真は修理後ですが、黒いフラットケーブルの一番端の端子に半田クラックを発見しました。右の写真は裏面ですが、このケーブルは発振基板とプリアンプ基板を接続しています。
回路図を見ると、12Vの電源です。電源部から発振基板に供給された20Vを12Vに降圧してプリアンプ基板に返しています。その12Vの行く先を追うと、IC601に電源を供給していることがわかりました。
ダイアログを見ると、このIC601は、テープセレクターからのONOFFでテープ種別を判断する役割を担っているようです。ここへの電源供給がケーブルの接触不良により断たれて動作不良を引き起こしたというのが今回の故障の理由です。
GX機には例外なく同様のフラットケーブルが使用されており、ウィークポイントの一つといって過言ではありません。