先日の続きです。機器を購入されたお客様から、「1時間ほど再生すると、突然テープ走行が停止する。」とご連絡をいただきました。早送りや巻き戻しでは問題ないようです。
早速機器をお送りいただき状態を確認しました。ちょうど1時間ほど経ったでしょうか、突然停止しました。再度、再生ボタンを押すと、正常に動作し始めましたが、数分後にまた停止しました。あとはこの繰り返しです。
初めはリールの回転を検知するセンサーの故障を疑いましたが、「早送りや巻き戻しでは問題ない」「一定時間は正常に稼働する」ことを考え合わすと、別な箇所の故障です。また、常時発生せず不定期に発生するということは接触不良の可能性があります。
早速修理に取り掛かります。
メカを分解すると、メカの状態を検知するロータリーエンコーダーがあります。
半田付けされているパーツを外し分解するとこのような状態になっています。
接点復活剤と綿棒で接点の清掃を行います。綿棒がかなり汚れました。
後は元通り組み立てて、この状態で試運転です。数時間再生しましたがまったく問題ありません。不定期に発生する故障というのは厄介な修理に分類されますが、今回は状況から推測して素早く原因の特定を行うことができました。
この不具合は同様のメカを持つESG以降の機種すべてに発生する可能性があります。同様の機種をお持ちで不具合のある場合は当店までご相談ください。