「テープパス(Tape Passing)」ってご存知でしょうか?日本語に訳すと「テープの通り道」といったところでしょうか。
カセットテープは、ピンチローラー、テープガイド、消去ヘッド、録音・再生ヘッドの上を通過します。音量・音質が不安定にならないためには、それが常に一定の位置でなければなりません。
そのために、テープガイドの位置をベストの位置に合わせる必要があります。特にSONYのデッキでは、これが狂っているとテープが簡単に脱線し、大切なテープがしわくちゃになってしまいます。
ただし、使用していて勝手に狂うことはほとんどありませんが、メカの分解整備を行った際にはほぼ必ず調整が必要になります。
そのときに使用するのが「ミラーカセット」です。
写真のようにヘッドとピンチローラーの周辺がオープンになっていて、奥についている鏡でテープの走行状態が正面から確認することができるといったものです。
このテープを用いてテープがまっすぐに走行しているか目視で点検します。ただ、これも見える方向が一方向のみなので、立体的に確認することはできません。
SONYのサービスマニュアルでは、ミラーカセットが無い場合は、普通のテープを加工して使用しなさいとあります。
上図では120分テープを加工しなさいとありますが、おそらくテープが薄く一番走行が不安定になりやすいからでしょう。今回は手持ちに無かったので46分テープを使用しました。
切り取りが難しく端が乱れていますが使用上は問題ありません。
一直線に走行しているかどうかは先ほどのミラーカセットで確認し、詳細はこのテープを使用するとテープの動きがつぶさに確認できます。
これで今まで以上に安心してテープパスの調整点検ができます。