日立マクセルが復刻版のテープを発売したことは、この記事をご覧になっている方ならご存知と思いますが、カセットテープが昨年辺りから再ブームを迎えていると言われています。若者がその形状やマイルドな音質に注目をしだしたということです。
テープを録音再生するためには、もちろん機器が必要となりますので、ラジカセか単体のデッキを使用することになります。オークションを見ていると、確かに昨年から中古デッキの相場が上昇しています。
SONYのTC-K555シリーズやA&DのGX-Z9100なども1万円台で動作品を落札できたのが、最近では3万円近い額となっています。ところで、こういった高級デッキの需要はどこから来ているのでしょうか?前述の若者でしょうか?普通に考えて、そもそもオーディオ機器に興味のない者が単体の高級デッキを購入するわけはありませんから、おそらくは、「カセットテープ再ブーム」とマスコミで取り上げられているのを見た「中高年の元オーディオファン」がその需要の源ではないかと考えています。
一方、最近修理依頼をいただき、届いたカセットデッキを見ると、押入れか物置にしまってあったような機器が非常に多いという印象を受けます。CDやMDの普及などによりカセットデッキを処分してしまった方は、新たにデッキを購入するしかないのですが、そうでない方は、なんとか思い入れのある機器で想い出のテープを再生したいと考えるのが普通です。このような方も「カセットテープ再ブーム」という言葉がきっかけとなったのではないでしょうか。
アナログ機器にはデジタルでは味わえない楽しさがありますので、個人的には一時的なブームに終わるのではなく、もっともっと若い年代の方にその楽しみが浸透することを期待しています。