今回はテープデッキを良好に維持するために非常に大切なヘッドとピンチローラーのクリーニングのお話です。
以前にも記事にしましたが、クリーナーには「乾式」と「湿式」の2種類があります。「乾式」というのは、クリーニングテープと呼ばれるもので、テープが特殊な材質でできていて、通常に再生するだけでヘッドが綺麗になるものです。これはカセットデッキ、DATの両方に用意されています。
次に「湿式」ですが、DATには存在しません。高速でヘッドが回転するDATでは、湿式とした場合、過大な摩擦力がヘッドチップに加わり、繊細なヘッドチップが損傷するおそれがあるためだと思います。
一方カセットデッキでは、確実に汚れをふき取ることのできる「湿式」が主流です。これもカセットハーフの形をしていてクリーニング液を所定の場所に注入するといったものがありましたが、やはり「綿棒」と「クリーナー液」を使用するのがベストでしょう。
昔からのオーディオマニアの方ならご存知でしょうが、専用のクリーナーは「ヘッド用」と「ピンチローラー用」に区別されていて、使い分けをしなければなりません。現在販売されているオーディオテクニカ社のクリーナーもボトルが2色に色分けられています。
これはなぜかというと、ヘッド用のクリーナーは基本的にアルコール類に区分されますが、アルコールというのはわずかながらゴムを侵すといわれています。一度や二度なら問題はないのでしょうが、繰り返し使用するとゴムが変質してしまうようです。
ピンチローラーは現在大変貴重品となっています。これまでひび割れ、あるいはカチカチに硬化したものを数多く見てきました。それでもまだジャンク機のものを流用して修理を行うことができますが、今後も永く使い続けるためには、やはりそこまで至らないよう日常のメンテナンスが肝心ではないでしょうか。
私のブログで度々紹介(宣伝?)しているプロのスタジオ御用達のクリーナー「アメリカンレコーダーテクノロジーズS-721H」は、ノンアルコールタイプでありながら、ヘッドとピンチローラーの両方に使用でき、また、一番の優れた点は、劣化して表面がツルツルになったピンチローラーもひと拭きでしっとりとなることです。
効果はテキメンですのでテープデッキを愛用されている方は是非ご使用ください。