先日の機体とは別のものですが、今回整備を行ったGX-Z9000で珍しい故障が見つかりました。
テープ走行の状態を自作のテープパス点検カセットで確認していたときのことです。左側のピンチローラーがスリップしているような動きをしていました。ピンチローラーの表面はクリーナーでメンテナンスしていますので、圧着力が弱いことが原因と思い、メカの背面の半固定抵抗を回しました。
この半固定抵抗を回すと、ピンチローラーの上下位置を調整できるのですが、回しても何の反応もありません。
パーツを取り外して測定しましたがセンターが絶縁しています。これでは反応がないはずです。早速手持ちパーツと交換し、ピンチローラーの調整ができるようになりましたが、動作点検するとやはり左側のピンチローラーが滑っています。なぜでしょう?
メカを取り出してピンチローラーを指で回してみると、かなり動きが重いです。黒色のテープガイドがローラーに接触しているわけではありません。
ローラーを外してみると、軸に汚れが付着していました。アルコールでふき取ると滑らかに回転するようになりましたが、非常に珍しいケースです。ピンチローラーのクリーニングの際に、汚れが中心軸を伝わって長い時間をかけて蓄積でもしたのでしょうか。
今回はひとつの故障に対し、珍しい二つの不具合が原因であるというレアケースでありましたが、今後も同様の故障は増えてくるのでしょうね。引き続き気持ちを引き締めてお客様に迷惑がかからないよう精進します。