原因不明のテープ速度異常に悩まされたオープンリールデッキ、TC-R6の修理後ひと月が経過しました。その後は正常に動作していますので「完治宣言」します。
前回の記事はこちらをご覧ください。
機器の故障にはさまざまな要因があり、簡単に判別できるものから回路図がなければわからないものなど、知識や経験をフル動員して修理を行う必要があります。
その中で厄介な故障が、「常時発生しない不具合」です。なぜなら、お客様から機器をお預かりしたときに不具合が発生するまで根気よく観察しないといけないですし、修理の手を加えた後、完治したのかどうかがわかりにくいからです。
先日もカセットデッキの不具合で「録音時の左右バランスの異常」という修理をお請けした際のことですが、修理を終えて発送前の点検で、数秒間録音レベルの不具合が発生しました。もちろん急遽発送を取りやめましたが、再修理後の点検は約1週間要することとなりました。
2ヘッドデッキの録音時の不具合ということで、再修理後「録音→再生(点検)」という作業を数十回繰り返し、再度不具合が発生しないか確認を行う必要があったからです。
私のTC-R6も原因不明の故障ということで、最終手段として、接触不良が原因であるという仮定の基に、不具合の起きそうな箇所すべてをつぶしていく「ローラー作戦」を行いました。テープ走行に関係する回路すべての箇所の再半田を行うというものでしたが、修理が成功に終わったかどうかは、経過観察しかありません。
常時発生する故障であれば、修理直後にその修理が成功したかどうかが判別できますが、不定期に発生する不具合は一定期間様子を見る必要があります。
今日もオープンリールに録音した女性ジャズボーカルをBGMにこの記事を書いています。テープ速度異常で登場した気持ちの悪い男性ボーカルの出番はなくなりました。