今回、DTC-ZA5ESのヘッド故障機を2台連続してお預かりしました。DTC-ZA5ESは比較的新しい機種ですが単なる偶然でしょうか?私は日頃DTC-1000ESを愛用していますが、これまでDTC-1000ESでヘッド故障というのはほとんど記憶にありません。
壊れやすいヘッドということも考えられますが、先日修理をしていて一点気づいたことがあります。
DATデッキは、カセットを挿入すると可動式のテープガイドがカセットからテープをドラムヘッドまで引き出します。SONY製のデッキは通常、そのときにヘッドが数秒間回転し、テープが完全にローディングされると回転が停止します。そして再生や早送りなどの操作を行うと再度回転しだします。
ところが、DTC-ZA5ESは、カセットが挿入されている間は、テープ走行に関係なく常にヘッドが回転しています。もしかすると、このことがヘッドの寿命と関係があるのかもしれません。
DATは、テープとヘッドチップの間に空気層があって直接触れていないという話を聞いたことがありますが、これが本当かどうかは別として、ヘッドの使用(回転)時間と寿命は密接な関係にあることは間違いないと思います。
ということは、DTC-ZA5ES(兄弟機のDTC-A8も同様です。)は、使用していないときはまめに電源を切ることが寿命を延ばすためには特に重要ということになります。
常にヘッドが回転しているという理由は、DTC-A8が業務用の使用を想定して開発されたため、再生時のレスポンスを速めるために敢えてそうしているのかもしれませんが、長寿命との兼ね合いは難しいですね。