今日はTC-K222ESLの修理です。いつものようにメカの修理を終え、本体に組み込んで動作テストを行ったときのことです。テープ走行は良好ですが、何となく音質がイマイチです。
ヘッドアジマスの調整を行いましたが、録再モニターでソースと比較してみると、明らかに中高域が出ていません。
バイアスキャリブレーションも効きが悪く、正規値に合わすことができません。基板の故障でしょうか?ここは、故障個所の特定を行う必要があります。そこで、たまたまもう一台、修理待ちの同型機があったので、メカを入れ替えてみました。
やはり同じ状態です。ということは、ヘッドに何らかの不具合が生じているということです。
摩耗などはなく見た目では問題はないように見えますが、念のため丁寧にクリーニングを行いました。ところが症状は一向に改善されません。少しの間途方に暮れていましたが、ここで、半年前に修理不可となってジャンクと化したTC-K333ESGのヘッドがパーツボックスにあることを思い出しました。
SONYのカセットデッキは、ESG以降はメカ部はほぼ共通となっていますので、簡単にパーツの流用ができます。
テープパスとアジマス調整を行い、試運転です。音質バッチリ、キャリブレーションもOKです。
以前、同じように高域に不具合があるTC-K333ESRを扱いましたが、そのときは、酷いヘッド摩耗が原因でした。目視でテープ幅の溝ができているのがわかるくらい摩耗があり、このときは代替ヘッドがなく部品取り機にしてしまいました。
今回は症状はそのときと同じですが、おそらくヘッドの内部が短絡するなどの故障が発生したものと思われます。幸運にもスペアパーツのストックで救われましたが、やはり部品は大切に取っておくものですね。