以前DTC-ZA5ESの修理依頼をいただいたお客様から、今回はDTC-2000ESの依頼をいただきました。動作不良と右側表示パネル不灯とのことです。
ほどなくして機器が到着したので、まずは状態を確認します。
左の表示パネルは「CAUTION」、右は真っ暗です。
早速修理に移ります。本来メカの下にあるべきフラットケーブルが上にあります。最初はこのケーブルかコネクタに不具合があると思いましたが、違いました。ということは可能性が高いのは表示パネル自体の故障です。
右側表示パネルです。不具合の起きそうな電解コンデンサーなどのパーツをチェックしましたが、FL管そのものかICの故障と思われます。この故障は初めて見ました。
スペアパーツが運よく手元にありましたので、ASSYで交換します。
予想通り回復しました。それではメカの整備に移ります。
トレイメカにはうっすらと埃が積もっていますので動作不良を起こさないよう清掃しグリスを塗布します。
標準のヘッドクリーナーはスポンジが消失しカスで汚れています。不要なアーム部は撤去し清掃します。
メカの底部にあるMDボードを取り外し、構成ユニットの点検を行います。
MDボードのトランジスタは以前交換されたようです。
リールモーター、キャプスタンモーター、樹脂製ギア、リングギアの順に取り外していきます。
やはりこの部分のグリスが固まり動作不良を起こしています。
ゴムリングも硬化して変形しています。
古いグリスはCRCと綿棒を使って除去し、ふき取った後に再グリスします。ゴムベルトも交換です。
続いてリールモーターの点検を行います。固着は無いようですが、ブレーキパッドの状態はどうでしょうか?
良好です。効きもバッチリです。後は元通りに組み立てるのですが、
この機体には珍しい破損があります。COAXIAL端子の金属部分が消失しています。オーナー様に了解をいただき補修を行います。
なぜか修理途中の写真データが消えていましたが、DTC-ZA5ESに使用されている端子の金属部分がピッタリでしたので移植しました。修理を行っていて不思議に思ったのは、この金属部分はそう簡単には外れません。何か理由があって人為的に取り外したとしか思えません。謎です。
すべての修理を終え、動作テストを行いました。テープパスも異状なしで動作音質良好です。