今日は、本ブログ初登場のKENWOOD KX-7030の修理です。1991年に発売された3ヘッドデッキで、当店のショッピングサイトからカセットデッキを購入されたお客様からの依頼です。症状は、テープ走行したりしなかったりということで、キャプスタンベルトがスリップしているのではとのお話がありました。
トレイ蓋は2分割タイプです。
ここで再生テストを行いましたが、正常に再生されます。作業部屋は暖かいので再生環境が良好なためと思われますが、キャプスタンモーターのプーリーを見ていると、動作開始時にベルトが前後に振れています。やはりベルトが伸びているようです。
フロントパネルは外さずにメカを取り出せるようにはなっていますが、作業性を考慮し、パネルを外してからメカを取り出しました。
このメカは、SANKYO製で、確か以前修理したことのあるA&DのGX-Z6100と同じメカと思われます。
キャプスタンベルトを交換するためには、背面のプレートを外す必要があり、背面の2箇所、前面の2か所のネジを外さなければなりません。そのためには、右の写真の中央の銀色のパーツも外す必要があります。
キャプスタンベルトは加水分解が進行し、フニャフニャで弾力はほとんどありません。サイズ的にはSONYのTC-K用がピッタリです。
この中央のパーツは左リールにバックテンションを与えるためのものですが、肝心のベルトが無くなっています。
ふき取るとこんな感じです。ここも加水分解でベルトが溶けてしまっています。丁寧に汚れを除去し、新品のベルトを取り付け元通りに組み立てていきます。
まずはテープ走行のテストです。良好です。
テープ速度はOK、アジマスは若干の調整を行いました。
修理完了です。