カセットデッキもDATデッキも、テープメディアを使用しますので、テープとヘッドの位置関係(テープパス)が常に一定でなければ音質に大きな悪影響を及ぼします。また、場合によっては、テープ走行が乱れ、テープの巻き込みが発生し大切なテープにダメージを与えることもあります。
計測器を用いてテープパス調整を行うDATデッキと比べ、カセットデッキの場合は、目視での確認・調整がメインとなりますので、一度大幅に狂ってしまうと調整が大変厄介となります。それでも、テープパスはそう簡単に狂うものではないので、通常は問題になることはありませんが、デッキのメンテナンスを行う際にはテープガイドを脱着しなければならないことがほとんどで、テープパス調整は必須の作業となります。
以前の記事にも書きましたが、通常はミラーカセットを用いるほか、自家製の点検用テープにより直接テープ走行の状況を確認します。
とはいえ、目視での点検になりますので、ご自分でメンテナンスを行う方にはなかなか難しい作業ではないかと思います。そこで、確実な方法として、ノギスを使用することをお勧めします。
方法は簡単です。テープガイドを取り外す前にその位置をノギスで0.1mm単位まで読み取ります。写真はA&DのGX-Z9000ですが、「25.6mm」です。これで脱着の際に確実に元の位置に戻すことができます。
もちろん、元々テープパスが狂っている場合はこの方法は使えませんのでご注意ください。