先日、市内に居住している40年来の友人から電話がありました。
彼とはオーディオや音楽など趣味が共通で、年に1・2度、その趣味の話を肴に酒を酌み交わしています。今回の電話での要件を聞いてみると、彼の弟がカセットデッキを搭載した中古車を購入したことがきっかけでアナログオーディオに凝りだして、古い機器の収集をする中で珍しいカセットデッキを入手したとのことです。
その機種はというと、SONY製のTC-2350SDで、開封済みではあるものの、なんと未使用品とのことです。
1975年発売の機器ですので、43年間未使用のまま保管されていたという奇跡に近い話です。
ところが、機器が到着し動作確認をしてみると、再生はするものの、巻き戻しのレバーを押しても、早送りのレバーを押してもどちらも早送りになるとのことです。
初めて聞いた機種名ですので、最初は操作スイッチの接触不良による誤作動かと思いましたが、操作はレバー式とのことですので、その可能性はほとんどなくなりました。それ以外に考えられるのは、アイドラーの固着だということを伝えると、友人は、とりあえず自分でなんとかしてみるとのことで、一旦電話を切りました。
その後気になって、ネットで情報を検索すると、修理記録が掲載されているブログを発見しました。やはり固着が原因のようですので、友人にそのブログの存在を連絡すると、しばらくして電話があり、それを参考にうまく修理できたとのことです。ただ、テープ速度の調整ができないので見てほしいと機器とビールを持参し我が家を訪ねてきました。
確かに未使用品らしく、操作レバーもピカピカです。
カバーを開けましたが、箱に保管されていたため、新品のようです。
テストテープと計測機器でテープ速度を調整します。モーターの横に制御基板があって、半固定抵抗で調整を行います。
さすがに音質はその後発売された機器には敵いませんが、そういったものを超越した良さ、古き良き時代を実感しました。久しぶりに楽しい時間を過ごすことができ、友人に感謝です。