先日のSC-77に引き続き、愛機f-300のメンテナンスを行います。
このデッキは、デザインが気に入り、ジャンク機として格安で入手したものですが、ラックの一番上に据え付けてあって、この2年ほどはまったく出番がありませんでした。
テープをセットして、いざ再生と思いきや、テープ走行不可です。再生も早送りもすべて動作しません。何が起きたのでしょうか?
1モーターのシンプルなメカです。普及機ですから電源その他もかなり簡略化されています。
メカを覗き込むと・・・?ありません。
ありました。キャプスタンベルトが切れて下に落ちていました。このデッキのメカは、モーターからこのベルトでキャプスタンを回転させ、そこからリールに動力を伝達する仕組みになっていますので、このベルトが切れるとまったく動作しなくなります。
メカは上下4本のビスで固定されていますが、何かが引っかかって取り出せませんので、フロントパネルを外しました。
メカは本体から分離できましたが、ケーブルがたくさん半田接続されていて取り出すことができません。そのため、メカを下向きにして、この状態で作業することにしました。ベルトを交換するためには、バックパネルを外さなければなりません。
バックパネルにはモーターとスイッチ類が取り付けられています。折角の機会ですので、接点の清掃も行います。下の丸い銀色の物体がキャプスタンのフライホイールです。これとモーターのプーリーがベルトで繋がります。
フライホイールから細いベルトでリールメカを駆動しています。ここもメンテナンスします。
ベルトは硬化が進んでいますので交換します。キャプスタンベルト(平ベルト)もこのベルト(角ベルト)も周長は約20cmです。
プラスチックのプーリーを外すとアイドラーにアクセスできます。特殊なサイズですので、表面を研磨後に専用クリーナーで処理しました。
組み立てました。動作良好です。
ベルトを交換しましたのでテープ速度の調整を行い、ヘッドアジマスの点検等を行い修理完了です。このデッキも修理不能になるまで使用し続けます。