オークションに私が出品したDTC-ZA5ESを落札された方から、以前からお持ちのDTC-2000ESの修理依頼をお受けしました。
不具合の状態は、「最初は問題ないが、数分間再生しているとノイズが発生するようになる」とのことです。
数年前にメーカーサービスでOHを受けたとのことで、テープ走行は正常、左側表示パネルの暴走も発生しません。ただし、再生を続けているといきなり数秒間ノイズが発生し、放置しておくと元に戻るという繰り返しとなります。何となく走行系が怪しいですね。
内部は比較的綺麗で、標準のヘッドクリーナーも装備されています。これはヘッドに悪影響がありますので後ほど撤去します。再生時のRFシグナルを見ていると、何となく乱れがあります。そしてそのうち信号が微弱かつ非常に乱れた状態になりノイズが発生します。オーナー様のお話では、使用しているうちにゴムが焦げるような匂いがするとのことでしたが、確かに匂いがします。ただし、この匂いはゴムではなくコンデンサーの電解液のものです。
メカ底部の基板です。右の写真をご覧ください。水色のバイパス線が処置されています。おそらくここの2.2μFの電解コンデンサーの液漏れで近くのスルーホールが絶縁したため、やむを得なく設置したものと思われます。
このリードタイプの1000μFの電解コンデンサーの周辺が汚れています。
やはり液漏れしてます。幸いにも基板には大きなダメージが無く、アルコールで清掃し新品に交換します。
RFシグナルも非常に安定しました。テープ1本分再生しましたが異状は発生しません。
これで不具合は解消されましたが、ほかの箇所の点検を行ったところ、固着はしていないもののメカのグリス硬化が見られましたので、オーナー様と協議し、この後メカのメンテナンスを行い修理完了です。